研究のとおりヨガ・瞑想を1ヶ月やってみたらマインドフルになった

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 10月半ばから1ヶ月間、毎朝45分間ヨガと瞑想を行いました。実はwellbeingの修士課程にいながらどちらも初めてで、もちろん存在自体は知っていたのですが、具体的な効果をイメージできてなかったのと、美容系・意識高い系の人たちの営みなのだろうと何となく避けてしまっていた次第です…。(←「ラベリング」と呼ばれる認知の歪みの一種ですね。コーチングでも留意すべき思考プロセスとされています。)

 そして1ヶ月やってみた結果、ヨガ・瞑想はメンタル面の向上に想像以上に効果があり、多くの人にぜひオススメしたいと思っています。

 今回は今期課題の一環として取り組みましたので、その詳細・結果を含めて、なぜヨガ・瞑想が効果的なのか理論的な説明も合わせて紹介したいと思います。(課題の概要については以下記事も参照ください。)

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 今回のヨガ・瞑想の実践では、以下の実験をベースに自身に当てはめ、その効果を検証しています。

 上実験では、ストレスや精神不安を強く感じやすいとされる医学生に対して、1ヶ月のヨガ・瞑想プログラムを導入し、彼ら・彼女らのメンタルにどのような変化があったかを調べています。プログラムの内容は、Asanaヨガ(姿勢)、Pranayamaヨガ(呼吸)、瞑想から成る45分間のもので、生徒は毎日決まった時間に参加しました。結果は、不安・社会性機能不全・鬱などの分野で著しい改善がみられ、また睡眠や集中力の高まり、感情のコントロール、気持ちの安らぎ、行動力などの面で効果が確認されたとされています。本実験以外にも、成人男性や女性を対象にしてヨガ・瞑想の効果を調べた研究が複数あり、同様の結果が得られています。

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 私も上実験で示される方法に従って、Asanaヨガ(姿勢)、Pranayamaヨガ(呼吸)、瞑想を1ヶ月間毎朝行いました。そして今回、自身のメンタル面の変化を測定するためSPANE(Scale of Positive And Negative Experience)という質問表を使用しています。SPANEは自身のポジティブ感情とネガティブ感情をスコアリングしてそのバランスを測るもので、その1つの特徴として過去4週間の経験を振り返って回答する点が挙げられます。それによって、回答時の一時的な感情とかムードに左右されるリスクを軽減しています。

 ヨガ・瞑想の前後でそれぞれ測定した私のSPANEの結果は以下の通りでした。(黄マーカーがポジティブ感情を測る質問、その他はネガティブ感情に関するものです。末尾のAffect Balanceは総ポジティブスコアから総ネガティブスコアを引いて求められています。)ご覧のように、1ヶ月間で見事にポジティブ感情が増えてネガティブ感情が減っています。実感として改善されたなぁと思っていたのですが、いざ数値として表れるとなかなか衝撃的な結果でした。。

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 さて、ではこのSPANEの結果をもって、ヨガ・瞑想はメンタルの改善・向上に絶大な効果があると言えるでしょうか?もちろんそう単純なものではなく、例えばヨガ・瞑想を実施した4週間で生じた他の要因等も勘案する必要があります。私の場合、ロンドンに来てまだ間もない頃に第1回目を測定したので、生活や授業への不慣れさから来る不安やストレス、またその時抱えていたプライベートな問題がスコアに大きく影響していたなと思います。そして4週間経ち生活に慣れてきたこと、またプライベートイシューも良い方向に進んで気持ちが大分楽になったことが、今回の劇的なスコアの改善をもたらした1つの要因だと考えています。こういった点を勘案しつつ得られたスコアを適切に解釈することも今期課題で求められていることですが、それを差し引いても私はヨガと瞑想が自身のメンタル向上に相当程度寄与したと感じています。

 言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、ヨガ特有のゆっくりと落ち着いた呼吸を維持しながら全身に徐々にストレッチをかけていく動作によって、自分自身の身体の隅々まで意識が回るようになります。筋トレが特定部位に集中して半ば意識を制限して一気に負荷をかけていくのに対し、ヨガは普段全く気にかけていなかったところも含めて全身をじっくりとスキャンし、心身を1つに統合させていくような感覚があります。

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 近年のポジティブ心理学では、心(Mind)と身体(Body)の関係性についての研究が進んでおり、身体が心に与える影響について論じられています。身近なものだと、笑顔を作ると気持ちが明るくなるとか、苦しんでいる人を見たら(視覚の働き)心が落ち込む、といったことも心と身体の関係を表す例です。

 そして研究によって、Embodiment(身体化)がWellbeingに貢献することが分かってきました。Embodimentとは、Body Awareness(身体に意識を向けること)Body Responsiveness(身体の反応を感じとること)の2つから成る考え方で、感情と結びついている身体の状態や機微な変化に意識を向けることで、精神の安定や気持ちを落ち着ける効果を得ることができます。まさに私がヨガで感じたものもこのEmbodimentに当たるもので、瞑想も同じく呼吸や聴覚、触覚、視覚といった身体機能に注意を向けて、その動きや状態を観察することを通じて、Mindfulnessな状態になるためのエクササイズです。

 特に瞑想は忙しい中でも最低5分あればできますので、精神を安定させるためにも忙しい人にこそぜひやって欲しいなと思います。

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 最後に今回の課題にあたって私が使ったYoutube・アプリを紹介します。初級者向けの内容ですが興味を持たれた方はぜひ実践しみてください!(ヨガのやり方は事前にある程度調べて適切な形で行うことをオススメします。特に私の場合は最初2週間は身体が固すぎて呼吸なんて無理だ...という感じだったのですが、その後徐々に慣れてきました。)

1. Asanaヨガ(姿勢)

2. Pranayamaヨガ(呼吸)

3. 瞑想 

 数少ない日本語でガイダンスを受けられるアプリです。

マインドフルネス・アプリ

マインドフルネス・アプリ

  • MindApps
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

 こちらは基本的に英語なのですがBGMの選択肢がかなり充実しています。ある程度瞑想のやり方がわかったら、ぜひこちらもトライしてみてください。

Relax Meditation: 瞑想とマインドフルネス

Relax Meditation: 瞑想とマインドフルネス

  • Ipnos Software Inc.
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料