MAPPCPとキャリア

f:id:mskeria107:20200724120808j:plain

 7月半ばにMAPPCPでの最後の授業が終わって、あとは修論の提出を残すのみになりました。落ち着いた気持ちで留学全体の総振り返りを行いたいところでもありますが、今は卒業後のキャリアという現実的な問題と向き合っています。

 

 私の場合、元々何らかの道を志向して決意した留学ではなかったので、卒業後のキャリアについては留学も折り返したぐらいのタイミングから徐々に考えるようになりました。そこで今回は、MAPPCPで学ぶことはどんな仕事に繋がるのか、私なりの考えを書いてみたいと思います。(※ 個人の独断と偏見です。)

 

 個人的には、留学の選択は必ずしもキャリアと結びつける必要はないと思っていて、学問分野への純粋な探究心や、疲弊したサラリーマン生活の中休み、海外留学への憧れなど、どんな理由でも良いと思っています。一方で現実問題として、キャリアの検討はやはり避けては通れないので、心配しなくてもMAPPCPに行くとこんな道が開けてるよ!とお伝えすることで、少しでも安心材料を提供できればなと考えてます。

 

1. コーチやカウンセラーなどの臨床職

 複数のクラスメートは既にコーチやカウンセラー、プラクティショナーとして働いていて、更に専門性を磨くためMAPPCPに参加しています。日本でも心理系サービスが近年注目を集めているので、こういった臨床系のキャリアは1つの候補になるでしょう。特にMAPPCPはポジティブ心理学コーチング心理学を融合させる世界初のアプローチをとっているので、その点がユニークポイントとして打ち出せると思います。

 

 また昨年、プログラムがEMCC(European Mentoring and Coaching Council)という欧州の代表的なコーチング協議会に認定されました。これにより、プログラムを修了してEMCCが定める要件をクリアすれば、公式な欧州コーチ資格を得られるようになりました。

 

2. Wellbeing系スタートアップ

 以前こちらの記事にも書いたように、Wellbeing産業は今後大きく成長することが予想されており(特にコロナ禍がその勢いを強めている気がします)、たくさんのスタートアップ企業が誕生しています。その多くは欧米系なのですが、もちろん日本にも複数存在していて、MAPPCPでの知見・経験が生かせる業界だと思います。

 

 どういった企業があるかはググったり、TwitterやAppなどで検索してもらえるとヒットするのでぜひ見てみてください。例えば以下のカオスマップなんかも参考になるかも。

 以下はスタートアップではありませんが、マインドフルネスの様々な産業への展開について紹介されています。

 

3. 人材育成・組織開発系コンサル

 MAPPCPでは、個人のウェルビーイングだけじゃなく、組織や社会のウェルビーイングについても学びます。例えば、同僚・部下のモチベーションを高めて事業成果を達成するリーダーシップスタイルだったり、経営と現場がビジョンを共有するための制度や施策などについてです。

 

 また、Googleに代表されるようにマインドフルネス研修を導入する会社も増えており、一人ひとりの働き易さ・働きがいが重視される時代になってきているので、BtoBとしてMAPPCPの学びを専門的に生かせる面白い業界だと思います。

 

4. 企業の人事ポスト/マネジメントポスト

 3.との関連で、各社の人事系・マネジメント系のポストも十分あり得る選択でしょう。人事部サイドから社内の人材開発に取り組んだり、特徴的なリーダーシップスタイルとコーチングスキルを生かしてプロジェクトをマネージするなど、MAPPCPでは汎用性の高い知識やスキルが学べると思います。

 

 「MBA=優秀な人材」という認知が既に定着してるのに対し、特に日本では「ポジティブ心理学?なんだそれ?」状態だと思うのですが、ウェルビーイングという広い概念について学んでいるからこそ、どういった点をアピールポイントと捉えて伝えるかが重要です。その意味では、マーケティングや企画系のポストともシナジーがある気がします。

 

5. 考えつくあらゆる仕事

 MAPPCPは、キャリアアップというよりも、充実した人生の歩み方について学ぶためのプログラムだと思っています。その点で、可能性はあらゆる仕事に広がっていて、どんな仕事であっても自分が天職だと考えるものを選ぶことが大切です。

 

 私自身、この留学は、幸せに関する理論的な研究やコーチングスキルを用いた思考の深掘り・リフレーミングによって、「自分にとっての幸せとは何なのか?」という問いを内省し続けた1年でした。卒業後のキャリアは、勉強していく中で徐々に見つけられるだろうし、それは最初に思い描いていたものと大きく変わっている可能性だってあります。 また、同じ会社であっても、仕事への向き合い方、周囲との関わり方が変わって、新たな価値を感じられるようになるかもしれません。

 

 やりたいことを目指すのも良いし、特に思いつかない人はMAPPCPを通して歩みたい人生を考えてみても良いと思います。私たちの目の前には、あらゆる可能性が広がっています。