2019年の振り返り

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 12月前半で今期の授業と課題が終わって、ただいま日本に一時帰国しています。

 

 2019年もいよいよ終わりが近づいてきました。おかげさまで今年も満足度の高い1年になり、あっという間に時が過ぎたなぁという感じです。「今年読んだ本ベスト5」みたいなお役立ち系の年末エントリーではないですが、雑感的に今年の振り返りをしたいと思います。

 

 前半はトルコに駐在していて、個人的な国際協力キャリアの総仕上げの期間となりました。鉄道とか電力インフラへの融資案件監理だったり、シリア難民支援に関係する協力形成など、両国の関係深化や現地の人々の生活向上に繋がることができればと思いながら、政府機関特有の組織力学に苦労もした思い出です。(結局この力学には慣れこそすれ、自分には向いてないなと思ったのも退職した理由の1つ。。)

 

 8月に退職して以降はずっと興味のあった心理学領域での留学に挑戦。卒業後のキャリアアップやキャリアチェンジに分かりやすく繋がる分野ではないかもしれませんが、日々好奇心を刺激されて楽しい学生生活を送ることができ、やりたいことをする贅沢を改めて感じました。これが経済学とかMBA、公共政策系の留学であれば、僕の場合、勉強を楽しめるとは思うのですが、未知への探求心を持つところまでは至らなかった気がします。

 

 またプライベートでは、駐在中は比較的時間がある一方で娯楽が少ない環境だったので、ピアノを始めてみたりiPadで絵を描いたり、カメラの勉強したり、読書に明け暮れたりインドア中心の生活を楽しんでいました。長く続けられる趣味としての創作活動をどんどん増やしていきたいなと思っているので、今後も細々とでも続けていきたいです。ロンドンに移ってからは、コーチングの無料セッションをしたり、各種勉強会・Meetupに参加したりして、緩い繋がりで色んな人と会う機会が増え、純粋にそういった人たちとのコミュニケーションを楽しみました。途上国駐在が長くてコミュニティが制限されていたので、その反動なのかもしれません。

 

 そして、つい先日第一子が生まれました。妊娠が分かってから幾つか難しい局面があり、その中で妻を残して一人ロンドンに行く自分自身へやるせなさを感じたりもしましたが、妻の頑張りと周囲の支えのおかげで元気な赤ちゃんが生まれてきてくれました。今回出産の立ち合いをさせてもらって、生命の神秘、命の儚さと尊さ、母親の偉大さ、妊娠・出産の壮絶さ、現場のプロフェッショナリズム、次世代への使命などを感じることができ、私の人生においても非常に意味のある時間でした。幸福の重要なファクターである(そして獲得のハードルが高い)meaning in lifeself-transcendencespiritualityに繋がる経験です。こういった感覚は、一般化が難しくとても属人的なもの(self awarenessが大切)なのですが、例えば大自然に囲まれた澄み渡る空気の中で、山の頂きに立って全身で朝日を浴びたときに降り注ぐ感情と似ているかもしれません。論理を超えたところで、個を揺さぶられる気づきがあったり、影響を受けたり、また決意を新たにする、出産は私にとってそういった経験でした。

 

 まだ3ヶ月ほどですが、イギリスでポジティブ心理学コーチング心理学を勉強して良かったことは、自身の人生設計や意思決定、また人格形成のあり方などについて深く考えていくための指針を得られたと感じることです。現代では職業上のキャリアに主軸を置いて自身の生き方について考える人は多いと思うのですが、自分の幸福感に軸を移して、職業的な成功も含めた理想的な人生のポートフォリオ(例えば家族や友人関係、経済性、使命、感情、利他、趣味、身体、精神性、死など)を構築していくことが個人としても社会としても大切になっていると感じます。そしてそのためには、(他からどう見られるかではなくて)自分の信仰や価値観と向き合うこと、幸せをもたらすもの・幸せな状態に近づくための要素を理解すること、それに向けて自分を方向づけていくことが肝要です。

 

 2020年は、専攻分野の更なる探究、留学後に始まる新生活、そして新しい家族での時間など早くも楽しみな年になりそうな予感です。このブログを通して、私なりの幸せのポートフォリオについて考えを深め、実践していけたらなと思っています。

 

 来年もどうぞよろしくお願いします。