ポジティブ心理学が学べる大学院【追記】

 ポジティブ心理学は比較的新しい学問ということもあり、特化したカリキュラムを持つ大学院は多くありません。そのため、大学院で勉強された方のブログなどの情報源もほとんどなく、各大学の特徴やイメージを掴む手段は非常に限られています。

 私も大学院を選ぶ際にはインターネットの限られた情報をベースに比較検討したので、その時に収集した情報を整理して、ポジティブ心理学の勉強に関心がある方の参考にしてもらえたらと思います。(※いずれも2019.9時点の情報です。)

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1. ペンシルバニア大学 Master of Applied Positive Psychology (MAPP)(アメリカ)

 ポジティブ心理学の学位を創設した世界で最初の大学がペンシルバニアです。ポジティブ心理学創始者であるマーティン・セリグマン氏によって設立されました。セリグマン氏は多数の著作があり、またTEDトークにも登壇していますので、ご存知の人も多いかもしれません。

www.ted.com

 MAPPはハイブリッドモデルを採用しており、フルタイムで働きながらでも1年で学位を取得できるプログラムとなっています。オンライン学習を中心にして、キャンパスには月1程度で週末の集中講義のために足を運ぶこととなります。カリキュラムの集大成である「Capstone」プログラムが特徴的で、学んだ理論等を実社会に落とし込むためのワークが課せられます。

 現在は47名の学生(計6ヶ国)が在籍しており、平均年齢は34才ということです。学費 約68,500米ドルで、出願要件は以下のとおりとなっています。

  • GPA3.0以上
  • 推薦状3通
  • エッセイ
  • レジュメ
  • GRE(学部卒業後3年以内の場合)
  • TOEFL100以上(R/W 23点以上、L/S 26点以上)

www.sas.upenn.edu

 

2. クレアモント大学院大学アメリカ)

 フロー体験で有名なチクセントミハイ氏らによって設立された心理学の修士課程で、2年を基本として以下3つのプログラムがあります。

  • Positive Development Psychology and Evaluation
  • Positive Health Psychology
  • Positive Organizational Psychology and Evaluation

 各プログラムの科目等はHPから確認できますが、ざっくりと「Health」は疫学の観点、「Organizational」は組織論やリーダーシップ論の観点から深めていくことになります。

 また、同大学院では世界初のポジティブ心理学の博士課程として「Positive Development Psychology」と「Positive Organizational Psychology」の2つのプログラムがある点も特徴に挙げられます。

 ちなみにチクセントミハイさんもTEDに登壇していますね。

www.ted.com

 学費は約96,288米ドルで、出願要件は以下のとおりとなっています。

  • 成績表
  • レジュメ
  • TOEFLまたはIELTS
  • GRE
  • エッセイ
  • 推薦状2通 

www.cgu.edu

 

3. イースロンドン大学 MSc of Applied Positive Psychology and Coaching Psychology (MAPPCP)(イギリス)

 欧州で最初(世界ではMAPPに続き2番目)にポジティブ心理学修士課程を創設したのがイースロンドン大学です。欧州におけるポジティブ心理学の第一人者、イローナ・ボニウェル氏によって設立されました。もともと「応用ポジティブ心理学」という名前だったのですが、近年「コーチング心理学」が加えられ、より実践的な内容に見直されました。

 1年間のフルタイムの場合、3週間に1度の頻度で週末に集中講義を受講することとなり、キャンパスでの受講の他、オンラインでの受講も認められています。また、パートタイムだと、2年間のオンライン受講となります。

 学費は約12,850ポンドで、出願要件は以下のとおりです。

  • 成績表
  • TOEFL81以上(R20, L19, S22, W20点以上またはIELTS 6.0点以上(W/S 6.0, R/L 5.5点以上)
  • エッセイ

www.uel.ac.uk

 

4. アングリアラスキン大学 Applied Positive Psychology MSc(イギリス)

 同じくイギリスの大学院であるアングリアラスキン大学は、3.イースロンドン大学創設者であるイローナ・ボニウェル氏が現在在籍していることで有名です(同氏は引き続きイースロンドン大学MAPPCPの名誉教授でもあります)。ただ、最近HPがアップデートされて以下の文言が追加されていました。残念ながら外国人留学生の受け入れは現在想定されていない様です。

Please note that this course is not suitable for international students who require a Tier 4 visa as some teaching is delivered face-to-face and the remaining via distance learning. We welcome applications for other available courses.

 キャンパスでの集中講義とオンライン講義を組み合わせたハイブリッド型で、フルタイムは12ヶ月、パートタイムは24ヶ月が基本とされています。また、一部の選択授業はイギリス(ケンブリッジ)ではなくパリで行われる点が特徴的です。

 学費は約13,700ポンドで、出願要件は以下のとおり。

  • 成績表
  • IELTS 6.5点以上(各5.5点以上)またはTOEFL88以上(R18, L/W17, S20点以上
  • エッセイ 

https://www.anglia.ac.uk/study/postgraduate/applied-positive-psychology

 

5. リヴァプールジョンムーアズ大学 MSc Positive Psychology and Wellbeing (イギリス)

 最後5つ目もイギリスの大学院です。ポジティブ心理学について幅広く学びつつ、マインドフルネス療法の実践に焦点を当てている点が特徴として挙げられます。

 1年間のフルタイムか2年間のパートタイムが選択可能で、フルタイムだと週2日の講義があります。

 学費は約14,450ポンドで、出願には心理学若しくは関連の学位、または職務経験が必要となっています。その他の要件は以下のとおり。

  • 成績表
  • IELTS 6.5点以上(5.5点以上)
  • エッセイ

https://www.ljmu.ac.uk/study/courses/postgraduates/positive-psychology-and-wellbeing

 

 今回は5つ紹介しましたが、この他にも以下サイト等でスクール情報など確認できますので、ご関心ある方はぜひ見てみてください。

positivepsychology.org.uk

positivepsychology.com

positivepsychology.com

 

【追記】

ドイツ人のポジティブ心理学者のブログに情報が整理されていました。最初の取っ掛かりとして参考になるかも。

mappalicious.com